長女(小学1年生)の不登校がどのように回復したかをまとめるシリーズです。
「序章」小学1年生の不登校が回復に至るまで
「その1」小学生の不登校1「混乱期」心身症の時期。娘は頭痛と無気力に。
「その2」当記事です。
「その3」小学校の不登校3「行動探索期」最初の一歩を踏み出すとき。
「その4」小学生の不登校4「自己実現期」できることが増え、不登校解消へ向かった。
今回は、「他罰期」と「内面成長期」の2本立てです。
思春期以上の年齢のお子さんだと「他罰期」と「内面成長期」で本人の態度や様子に明らかな違いがあると思うので、1記事ずつ書く方がよいと思うのですが、長女は1年生でまだ心が単純なのか「他罰期」が短く、1記事にするには内容が薄いので、次の「内面成長期」とまとめて書きます。
目次
他罰期とは
「不登校の始まりから終わり」を、本人の行動や関りの基本、援助の主眼点などの違いから、「混乱期」「他罰期」「内面成長期」「行動探索期」「自己実現期」の各期に分けたものの内、2番目の時期のこと。
出典は『登校拒否のパターンと各期の援助のパターン(作成:佐賀県教育センター)』より。
(上の写真の本の感想です)
かかわりの基本
- 登校刺激をやめ、心の安定をはかる
我が家の場合は、低学年なのでスクールカウンセラー(以下SC)から、なるべく登校刺激をやめないように言われていました。
(本人の様子を見つつ、無理をさせない程度に)
この辺りのさじ加減は、お子さんの年齢や状況によって変わってくるので、SCや担任と相談し、登校刺激を続けるか、それとも登校刺激をやめるのか共有してほしいと思います。
各自がバラバラだと各自に多大なストレスがかかるし、子どもにも悪影響です。
留意点
- 朝は無理に起こさない
- 専門機関との連携をはかる
我が家は、学校を休んだとしても、日常生活上の朝寝坊は黙認したくなかったので、主人や次女も含めて家族会議を開き、「学校へ行く・行かないに関係なく、朝は起きて皆で一緒に朝ごはんを食べよう」と決めました。
とは言え、この頃の長女は学校へ行かなければという気負いに立ち向かえるほど気力が回復しておらず、朝はゆっくりペースでした。
でも、皆が平日の朝の準備をする中、一人だけ寝ているということはなかったです。
(布団の中でゴロゴロしていることはあったけど)
この場合の「専門機関」とは、学校へ出向いているSCでいいと思います。
私もとても悩みましたが、この段階で、お子さんの通う学校とは完全に関係のない外部機関である「フリースクール」へ連絡するのはまだ早い。
フリースクールは、「子ども自身が行く場所」なので、お子さんが外の世界に出る準備をし始めてからでOK。
(他罰期の2つ先の「行動探索期」でいいと思います)
この段階で親がいくら引っ張っていっても、子どもは動かない。
でもね、親御さんの焦る気持ち、すっごく分かります。
子どもは朝起きない、学校行かない、勉強遅れる、周囲の目もある(気がする)、毎日イライラや不安に襲われますよね。
このままでいいのかな…
もうずっと学校に行けなかったらどうしよう…
学校が無理なら、フリースクールだったら行けるんじゃ…?
私も毎日フリースクールのHPを見てここなら通えるかな?全寮制の方が鍛えてもらえるかな?とか色々考えていました。
この頃辛かったこと
学校からドロップアウトしてしまった子どもの将来を思って、悲観すること。
「小学校も行けなくて、食べていくことが出来るのか?」
私は、この本を主人から渡されて、気持ちが切り替わったので、よかったら参考になさってください♪
援助の主眼点
- 精神安定への援助
- 自省への援助
長女の様子
親のひとことひとことに反抗的になったり、親の育て方や担任のやりかたを責める、だらしない生活になる、甘えが出始める「反抗・暴力の時期」の「他罰期」です。
冒頭でも書きましたが、長女は低年齢でまだ心が複雑ではないのか、他罰期独特の行動はあまり見られませんでした。
私の登校刺激にふてくされたり、文句を言うことはありましたが。
SCから、低学年の不登校はなるべく学校から遠ざからないように言われていたので、長女の気持ちが安定している時間帯に学校へ足を運び、校門にタッチして帰る、敷地外から校庭やプールの様子を見るなどしていました。
内面成長期とは
「不登校の始まりから終わり」を、本人の行動や関りの基本、援助の主眼点などの違いから、「混乱期」「他罰期」「内面成長期」「行動探索期」「自己実現期」の各期に分けたものの内、3番目の時期のこと。
かかわりの基本
- 生活のすべてを本人に任せる
我が家の場合は、7歳という低年齢で、規則正しい生活習慣を身に付けていく成長過程ですので、7歳児に全てを任せるわけにはいかず、起床・食事・風呂・就寝時間など最低限は親が関与しました。
その干渉への長女の文句や反抗はなかったです。
登校刺激時には反抗や不満は言うけれど、家庭内の生活については明るく楽しんでいて、全く普通でした。
留意点
- 日常の声かけはするが、口出し手出しをできるだけ避ける
小学校中高学年以上のお子さんだと、複雑な心が傷つき閉じてしまった分、回復するまで時間も長くかかるのかな、と推測します。
その場合、起床・食事・風呂・就寝時間なども口出ししない方が本人にとって良いのかな?
この辺りは、推測の域を出ません。
長女の様子
「怠惰・閉じこもりの時期」とされる「内面成長期」です。
食事を家族ととらない、昼夜逆転、ゲームやインターネットに夢中になるなどの行動が挙げられるようですが、我が家の場合は低学年だからか、ひどい怠惰も閉じこもりもなかった。
逆に、「親と子が離れる時間を持って」とのSCの意見から、逆に、閉じこもらせる時間(※)を作ったほどです。
でも、長女は友達との遊びの約束なら一人で20分歩いて友だちの待つ公園まで行くし、ショッピングセンターなどのトイレは少し離れた場所でも一人でサッと行き、家族の待つ場所へ帰ってきます。
私自身は、「母子分離不安」という言葉に違和感を感じましたが、SCから言われるとおり、長女がリビングで勉強している時は私が別室へ行くなど、離れる時間を作りました。
「他罰期」や「内面成長期」は、低学年の不登校児にとっては、あまり当てはまるものではないのかもしれません。
でも、年齢が上のお子さんとの共通点は、
無理をさせず、子どもの気力の充電を優先に心がけること。
前記事にも書きましたが、子どもの気力・元気が回復していない間は、親がいくら誘導しても動けません。
ひきこもっているお子さんが学校の話題以外は元気な場合でも、親御さんはやはり不安になると思います。
「この状態がいつまで続くの…」と。
不安が強い場合は、子どもにその気持ちをぶつけるのではなく、ご自身の心の安定をはかるために、SCに相談したり、外部の不登校相談や親子支援先(特に親への支援を行っている心理カウンセラーなど)へ問い合わせるのもよいかもしれません。
私の場合は、インターネット上のチャットやテレビ電話での外部のカウンセリングを受けようと思いましたが、費用が高くて思い止まりました。
そこで、
「子どもの人生は子どものもの、気にするな、私は自分の事を楽しもう」と、割り切ることにしました。
…といっても、毎日娘と顔を合わせるので簡単に割り切れるものではないのですが…
とりあえず、今日の日課(他罰期の項目で説明した「校門タッチ」などの【学校へ行ってみようとする行為】のこと)への挑戦が終わった後は、不登校のことは忘れて、過ごすようにしました。
すると、長女も明るくなったというか、元気が増してきたように感じました。
また、長女は閉じこもりはしませんでしたが、幼稚園の頃から大好きな、絵を描くことや絵本を読むことに没頭していました。
「内面成長期」とは、好きなことを好きなだけさせると良い時期なのかな、と感じました。
援助の主眼点
- 自律化への援助
- 現実適応への援助
スクールカウンセラーの言葉
- 無理のない範囲で、学校から完全に離れてしまわないように
- 家の中で母親と離れる時間を作るように
まとめ
- 「他罰期」には、家族や担任のやることを責めたり、反抗したり、だらしない生活が始まるとされるが、低学年の不登校児には当てはまらなかった。
- 「内面成長期」には、閉じこもったり、昼夜逆転が起こるとされるが、こちらも低学年の不登校児には当てはまらなかった。
- 学校の事を忘れて好きなことに没頭する時間を承認する。
- 親の心の安定も重要。自分のことも大事になさってください。
続きは次記事
「序章」小学1年生の不登校が回復に至るまで
「その1」小学生の不登校1「混乱期」心身症の時期。娘は頭痛と無気力に。
「その2」当記事です。
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「その4」小学生の不登校4「自己実現期」できることが増え、不登校解消へ向かった。