長女(小学1年生)の不登校がどのように回復したかをまとめるシリーズです。
「序章」小学1年生の不登校が回復に至るまで
「その1」小学生の不登校1「混乱期」心身症の時期。娘は頭痛と無気力に。
「その2」小学生の不登校2「他罰期」と「内面成長期」じっくりと回復を待つ。
「その3」当記事です
「その4」小学生の不登校4「自己実現期」できることが増え、不登校解消へ向かった。
今回は、「行動詮索期」です。
ようやく、長い夜が明ける始める時。
地平線からほんのりと白く色づき、群青とオレンジが混ざり合う層が顔をだし、帯状に広がってゆく。
太陽はまだ顔を見せないけれど、その存在を確かに感じる。
さて、夜明け前の長女の様子はどうだったのでしょうか。
目次
行動詮索期とは
「不登校の始まりから終わり」を、本人の行動や関りの基本、援助の主眼点などの違いから、「混乱期」「他罰期」「内面成長期」「行動探索期」「自己実現期」の各期に分けたものの内、4番目の時期のこと。
失われていた生活のリズムが少しずつ取り戻される、生活の中で新しい試みが増えてくる、学校の話をしても嫌がらなくなる、などの「登校準備の時期」が「行動探索期」です。
出典は『登校拒否のパターンと各期の援助のパターン(作成:佐賀県教育センター)』より。
(上の写真の本の感想です)
かかわりの基本
- 情報を伝え、行動化させる
家族に責められず、好きなことに没頭して気力が回復してきたお子さんは、ついに外の世界への興味を取り戻し始めます。
「学校へは行きたくないけど〇〇なら行ってみたい(やってみたい)」
こんな言葉が出たら、嬉しいですね。
親御さんは〇〇の情報をかき集め、お子さんへ伝えてください。
「行くか・行かないか」選択するのはお子さんです。
留意点
- 決めるのは本人に任せる
「〇〇なら行ってみたい」が、フリースクールのような場所を指していたなら、今こそ!!ですね。
(前回記事の「他罰期」では、時期尚早だと書いた件です)
お子さんが「自分で選んで行動した」という過程が重要で、結果は上手いこといかなくてもいい。
詳細は、【長女の様子】の項目で。
援助の主眼点
- 現実適応への援助(前期)
- 再発予防への援助(後期)
長女の様子
運動会の練習の見学
小学1年生の長女は、担任との朝の挨拶だけ(別室)や、放課後だけ登校するというスタイルを続けてきました。
(母子登校)
担任に、挨拶のついでに、
「今日は運動会の練習やるよ。どっちでもいいんだけど、よかったら、見ていってね。いつでも帰ってもいいよ。面白いことやっているんだよ」
と促され、調子の良い時は、校庭で練習の様子を見学できるようになりました。
しかし、小休憩のタイミングでテンションの高いクラスメイトたちに「〇〇ちゃんだー!」と囲まれることに耐える気力がない時は、みんなが寄ってくる前に帰ることも。
でも、みんながダンスを踊っているのを見るのは好きだったし、クラスメイトとの接触がなければ、長女は取り乱すことなく普段のままいられたのです。
これは、すごい進歩です。
この前までは就業中は学校へ入ることが出来なかった長女が、「自分でその場にいることを選択し」「学校にいられた」。
途中で帰ってもいいんです。
結果はどうでもいい。
本人が選んだ過程と実行した事実が大切。
帰り道、「校庭で見学できたね。やったね。面白かったね」と喜びを共有しました。
こうして、小さな自信を何度も積み重ねていきました。
友だちと遊ぶことの大切さ
就業時間帯に学校にいる回数が増えると、友だちから「放課後遊ぼう♪」と誘われます。
長女が「友だちと遊びたい」と口に出すようになったのも、この少し前の時期からで、放課後いきいきと遊ぶようになりました。
スクールカウンセラー(以下SC)には、1学期から終始、「なるべく友だちと遊ぶように」と言われていました。
この時期になって、長女が学校で放課後の遊ぶ約束ができるようになり、本当によかったです。
大人数での公園遊び
この時期、長女にとって、幸運が重なりました。
知人のママさんが、みんなで公園遊びをしよう!と企画してくれて、長女も参加しました。
きょうだいたちも含めると20人の大所帯です。
みんながワーワーキャーキャー遊んでいる様子を見て、長女はたじろいで足を止めたけれど、仲の良い友達が誘いに来てくれました。
一度輪に入ってからは、元気全開で遊びました。
この日を境に、長女の学校へ行く気力が高まった気がします。
おそらく、久しぶりに大人数で遊んだことで、教室でもやっていけるきっかけを感じたというか、リハビリになったというか、何か自信がついたのかな?と思います。
そこからは、学校でクラスメートに囲まれてもたじろがず、笑って過ごせるようになりました。
まだまだ教室へ入るまで時間がかかるし、なかなか自分の席へつけないけれど、席についたら少しずつ授業に参加できるようになり、「給食を食べたい」と言って別室で私と二人で食べたり(私はおにぎり持参)、急激に学校というものが身近になってきました。
こう書くと、順調満帆に復帰への道を進んでいるのかのようですが、実際のところは、校門までで帰ったり、通学路の途中で帰ってしまう日もあります。
本当に、前に進む日、後へ戻る日が入り乱れながら、長い目で見ると全体的に進んでいるといった具合でした。
「行動探索期」の初期は、「朝:挨拶」帰る、「昼:給食チャレンジ」帰る、「放課後:担任と勉強」帰る、といった具合に、ひどいと1日3回、学校と家を往復していました。
親には一番疲労が溜まった時期でもあります。
新しい習い事をしたいと言う
勉強系と美術系の習い事をしたいと言い、体験へ出かけました。
スクールカウンセラーの言葉
- 「行きたくない」日でも、「〇〇まで頑張って行ってみよう」と誘いかけ、家から出ずに「ゼロ」で終わらせないように。
たった「+1」でもいいから、少しだけでも前へ進むことを心がける。
最終的には、行きたくない日でも学校へ行けることが目標。 - 友だちとたくさん遊んでください。
まとめ
- 親は、子どもが興味を持ったことの情報を集め、提示する。選択するのは子ども自身。
- 結果はどうでもよい。子ども自身が選んで行動した過程が重要。
- 小さな成功を何度も重ね、自信に繋げる。
- この頃には、気力、体力も回復しつつあるので、無理のない範囲で前へ進むことを支援する。
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「序章」小学1年生の不登校が回復に至るまで
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「その2」小学生の不登校2「他罰期」と「内面成長期」じっくりと回復を待つ。
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