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不登校の子どもに何が必要か

読んだ本

入門書であり専門書、「不登校の子どもに何が必要か」を早くに読んでほしい

更新日:

本を読んで「コレはすごい…」と震えたのは、久々のことだった。

不登校(登校拒否)に関する欲しかった情報が、全部入っていた!!

読了後、居ても立っても居られず、すぐに書いています。

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(投稿日:2016年12月21日)

何が「すごい」か

データが最新

2016年3月初版で内容が最新。

多様な情報

・不登校の歴史、背景など「資料的情報」、不登校のタイプ分けチェックリストや、現在が回復へ向かっていく過程のどの段階かを判定する基準のリストなど「子どもを客観的に判断できる情報」、発達障害と心身症状、薬物療法、ひきこもり、親の会、いじめへの対応、など「専門的な情報」が一気に手に入る。

教育学、臨床心理学、精神医学の専門家と親の会の代表者が結集し、12人が執筆している。
各分野のスペシャリストが、分かりやすく丁寧に書いていて、その参考文献と合わせると凄まじい情報量になっている。

思想ではなく研究結果

今まで読んでいた本は、「医師」「フリースクール経営者」「元教師」「不登校児の親」など一箇所からの目線だった。
不登校に対する意志(例えば登校刺激を与える派、極力与えない派など)はその著者一個人の思考(思想)によって違い、共感できる面と少し疑問に思ってしまう面もあった。

本書では、そういった偏りが感じられることがなかった。
大げさに言うと、執筆者の「思想」ではなく、執筆者が長年子どもや不登校に携わって打ち出された最新の研究結果…「事実」が淡々と書かれていて、フラットで客観的な情報が入手できるのでありがたい。

保護者向け「だけ」ではない

とくに、第2章「学校、教師やスクールカウンセラーの対応」の中の、スクールカウンセラーの心構え、いじめ問題への対応などについては、学校関係者へ向けて書かれた内容となっている。
そこを保護者が読むことによって、子どもの学校の対応と照らし合わせたり今後に向けての提案の仕方を学ぶことができる。

分かったことの一例

全体像を知る

不登校のパターンと各期の援助の基本
5月末から始まった長女の登校渋り。
上記写真の、「不登校の状態」や「子どもの思考」パターンを読むと、本当に、この表の通りに感じる。

長女は今、「行動探索期」と「自己実現期」をいったりきたりしている。
この表で読むと、援助の主眼点は「現実適応への援助」と「再発防止への援助」である。

長女の場合、「スモールステップの目標を設定し、徐々に復帰を目指す」「無理をさせない」等。
現在、スクールカウンセラーとの連携が取れていて、この表に添った内容をさらに長女用にカスタマイズしたようなことを言われる。

この本で全体像が掴めてからは、私は気持ちにかなり余裕が持てるようになった。

苦しんでいる子どもたち

不登校文章完成テスト

↑不登校の子どものSCT(文章完成テスト)という心理テストの事例。

「……」の左側が刺激文、それを読んで頭に浮かんだことを刺激文に続けて書く。
不登校の初期に書かれたもの。

これを読むと、胸が締め付けられる。
小学生や10代の子どもたちがこんな絶望的な気持ちになっているなんて。

長女も、「わたしなんて…」とネガティブ発言が多かったり、盲目的に反抗する時期があった。
その時に適切な対応をしてあげられれば、長女の「今」は少し違ったものになっただろうかと、未だに後悔します。

備忘録

希望に導かれた努力ではなく、圧力に強いられた努力は消耗しやすく長続きしない。(p.23)
「居場所」とは、「自分はここで受け入れられている(好かれている、認められている、必要とされている)」「ここにいると安心する、ほっとする」と子どもが感じる場のことです。(p.35)

まずは家に居場所作りから始めて、学校にも居場所が作れることが目標。
家に居場所がないと引きこもる。

不登校児の状況は(中略)川を他の子と一斉に渡ろうとして、一人だけ溺れてしまったようなもの(中略)溺れている最中に「なぜ溺れたのか」「泳ぎ方を練習しなかったから溺れたんだ」と責めてもダメ(p.38)
親が不登校の解決をしようとする(焦る)のか、子どもの命を見つめながら理解を深めようとするのか、子どもにとってはその差は大きい(p.78)
登校刺激の三つのポイント
①小さな話題から出す
②反応がよくないときはすぐに引っ込める
③成否については後日家庭に確認する(p.93)

初期は、私も先生も過剰な登校刺激だったので反省している。
親が守ってあげないといけなかったのに。

不登校や登校渋りの背景には、学業不振等の学習面、いじめ問題など交友関係、思春期特有の自己意識や劣等感、家庭の問題、貧困の問題、教員との関係、本人の性格、コミュニケーションの問題、発達の問題や精神疾患など、さまざまな要因が見受けられます。(p.97)

これはどの本でも言われていることだけど、一口に不登校と言っても、その児童一人一人の背景に、同じものは無いんですって。
「コレ!」という解決法が無いから、親が疲弊してしまう。

人生の中で、必要な「自分崩しと自分育て」に苦しみながら取り組んでいるととらえる。(p.102)

子どもはすんごい大変なことに取り組んでいるのだと理解して、責めない。

最近のいじめの特徴は、いじめの対象には誰でもなる(中略)いじめの構造が単純な「いじめる子」「いじめられる子」「観察者」「傍観者」という四層構造ではなくなったのが、現代型いじめの特徴(中略)いじめられている子どもが、命令されて他の子どもをいじめることもあります(p.113)
①けんか、②いたずら、③悪ふざけ、④冗談、④遊び、⑥いやがらせ、⑦からかい、⑧恐喝(たかり)、⑨暴行、⑩障害(中略)⑥から⑨は犯罪(中略)いじめは犯罪である、と子どもたちにしっかり伝える必要があります(p.115)

③悪ふざけと、⑥いやがらせの差が分かりません…。
実際は「いやがらせ」なのに、大人に見つかった時に「悪ふざけでした~」って、ごまかされない?

小学校四年生以上の前思春期に入ると、「いじめられている」と話すことが自分の自尊心を傷つけることになる(p.119)

10歳からは子どもの表情に気をつけたい。

小学校高学年から中学生の時期は、多くの子どもたちがそれぞれに情緒的な不安定さを抱えながら何とか学校生活や友だち関係を乗り切り、他社との関係を通して自分のあり方気づき、自分に必要なものと不要なもの、合うものと合わないもの、大事なものとそれもどでもないものを峻別しながらアイデンティティを形成してゆく複雑な心理的作業に取り組むことになります。(p.167)

思春期とは…。
私もこの時期にグループから突然ハブられたり、あからさまに意地悪されたり、悩んだことがあります。

他人からされて嫌なことをしない

これを皆が守るだけで、人間関係のトラブルがずいぶん少なくなると思います。

最後に

子どもが登校渋りを始めたら、いち早く読むべき本。
私も初期に読みたかった…。
むーち(@mu_chiblog)でした。

もっと不登校の本が気になるなら…
子どもが登校を渋ったら、休ませるべき理由が分かる本

2017年2月追記!

不登校を克服しました。まとめ記事を書いています↓

★登校拒否の記事一覧★

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